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KAIJU BOOKS

2020.10.26

より工夫と挑戦が求められる時代。アナログスタイルで出来る場をいただけるならと、大切にしてきたもの捨てつつも、本当に大切なものはちゃんと残して紙芝居。

京都国際マンガミュージアムの紙芝居常設小屋は広くはなくて、風通しあまり良くなく。今は真下の部屋、一階の絵本が並ぶ部屋、子ども図書館にて紙芝居。

絵本と紙芝居。似てるが異なる。僕の絵本の思い出は、夜眠る前、二人の姉と弟でとりあったお母さんの膝の上。皆で寄り添いあってあったかくて、やさしい温もり。途中で寝てしまっても、朝起きたら何故か布団の中。逆に読んでいるお母さんが寝てしまうことも。時々はお父さんに読んでももらったけど、お母さんより少し不慣れなせいか、普段より少し優しい感じのお父さん。僕が思う絵本には母性、ぬくもりを感じる。どれだけ滑舌良く聞かせてくれるオシャレで綺麗なお姉さんの読み聞かせも、幼い頃の温もりの思い出には敵わない。僕の心には届かない。

そしたら、紙芝居は?たまたま僕のお父さんは紙芝居屋。絵本と違って、膝の上でなく子ども心と向かい合う双方向。それはお父さん指と他の指との関係と同じで、向かい合えてぶつかり合う。紙芝居には父性、雄を感じる。家の茶の間より大きな輪を囲むお父さん。それが僕の中の紙芝居。

絵本に囲まれた部屋で紙芝居するならと、今回も自転車に乗せたスタイル捨てて、大きな本を作ってみた。絵本を読んでくれるお父さんだっている。紙芝居を聞かせてくれるお姉さんだっている。怪獣ゴッコしてくれるお母さんだってお姉さんだってきっといる。だけどこればかりはやっぱりお父さんの迫力には敵わない。

そこで名付けたKAIJU BOOKS。あまり優しくなく、少し恐いお父さんが読むような絵本。大きな絵本の表紙を開いたら飛び出す物語。今回もツバ飛ばぬよう、少し距離をあけて。今まで守ってきたものも大切だけど、思い切り壊して築いた“新しい”も楽しい。壊したけど、大切はしっかり手元に残ってる。

まだやらせてもらえるアナログスタイルと同時に気になるデジタル世界。家族皆でお世話になったTSUTAYAさんからの嬉しいご依頼。明日、夕方、陽が沈む前に行ってきます。久しぶりにマスクも外せる紙芝居に、新しい挑戦にワクワクしてる。

KASHIWANOHA T-SITE(終了しました)